
comic_keema
comic_keema(槇久美子、1992年日本生まれ)は、兵庫県神戸市を拠点に活動するアーティスト、編集者。2015年、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。
企業での商品企画、編集、デザインに携わった経験を背景に、現在も企業や文化施設などのビジュアル制作、ロゴ、イラストレーションなどを手がける一方、個人制作では絵画、立体、出版へと表現を広げている。
2025年、神戸うろこの家展望ギャラリーにて個展「とどめる線|Memory Line」を開催。2026年には神戸阪急で個展「GRAVITY」を開催するなど、作品を発表している。
作品では主に墨、和紙を用い、人の身体に一時的に現れる形や、身体同士のあいだに生まれる重さを観察している。
子どもの後ろ姿、妊娠した身体、誰かを抱く姿、座ったときに崩れる輪郭など彼女が描くのは、特別な出来事というより、日常のなかで繰り返し目にしながら、いつの間にか失われていく形である。
その制作の根底には、失ってから過去を懐かしむのではなく、失う前から懐かしさを含んで現在を見るという態度がある。いま当たり前に存在している姿や関係も、いつか振り返れば、かけがえのない「あの時」になる。描くことは、変わってしまうものを固定するためではなく、その一瞬をよく見つめ、未来の記憶として受け取り直すための行為でもある。
作品を通して、懐かしむことを単なる喪失としてではなく、生きた時間をもう一度豊かに受け取る感覚として提示し、いま目の前にある時間のかけがえのなさに気づく場をつくろうとしている。
